ノックアウトオプションで利益を出すには、どのようなトレード手法が有効なのでしょうか。
この記事では、ノックアウトオプションの特性やメリット、デメリットを踏まえた、勝ちやすい手法、取り組みやすいトレードについて解説していきます。
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ノックアウトオプションのメリット
圧倒的に資金効率が良い
詳しくはノックアウトオプションの仕組みで解説していますが、ノックアウトオプションとは、「最終的にロスカットになって失う金額さえ持っていれば、そのポジションを保有できる」金融商品です。
そのため、狭い損切り幅を設定すれば、1000~2000円程度の資金で、FXでいうところの1万通貨取引ができます。FXのドル円なら4万円ほどの証拠金が必要になるわけですから、20~40倍の資金効率となるわけです。
ノックアウトレベルで確実に損切りされる
ノックアウトレベルとは、最初に設定する最終撤退価格のことです。ノックアウトオプションでは、どれだけ相場が荒れていようが、価格が飛ぼうが、スリッページが発生しまくっていようが、損失になる場合はノックアウトレベルで確実に決済されます。ノックアウトレベルより遠くで損切りされることはありません。

ノックアウトオプションのデメリット
最終損切り価格を変更できない
トレードが始まったら、ノックアウトレベルを最初に決めた水準より深くすることはできません。ノックアウトレベルに応じて必要資金が決まっているため、この部分を変更することはできないのです。
ただし、もっと浅い位置で損切りをすることはできます。逆指値を置くか、手動決済かになります。
少しスプレッドが広い
ドル円が0.6pips、ユーロ円が1.1pipsのように、国内のFX会社よりは少しスプレッドが広いです。ただし、多くの海外FX会社よりは狭いスプレッドになっています。

成行でしかエントリーできない
新規エントリーはリアルタイムでその場で約定させる、成行注文のみになります。価格を指定して予約できません。
ただし、決済は指値や逆指値で価格指定をしての予約ができます。

ポジション保有は最長でも1年間
FXや株はポジション保有期限がありませんが、ノックアウトオプションの場合はどんなに長くても1年を超えて保有できません。
また、あくまで最長1年であり、普通に購入すると1年後よりずっと短い、数か月後が期限のオプションであることが普通です。保有できて数か月と思って、ノックアウトオプションをすると良いでしょう。
一番オススメの手法はスキャルピング
ここまでまとめたノックアウトオプションのメリットやデメリットを考えると、短い期間しかポジションを保有せず、利食い幅も損切り幅も狭いスキャルピング、あるいはデイトレが一番ノックアウトオプションに向いているという結論になります。
その理由① 短期売買ほど高い資金効率を生かせる
ドル円など円が絡んだ通貨ペアは、1ロット(1万通貨)取引での1ポイント(1pips)が100円の損益になります。ということは、損切りされる幅が狭いほど同じ損失額でもたくさんポジションが持てることになります。
- 1ロット取引で100ポイント負ける=1万円負け
- 10ロット取引で10ポイント負ける=1万円負け
このように、負け幅が狭いほど同じ損失額でもたくさんのポジションを保有できます。そしてもちろん、ロットが大きい方が勝ったときの金額も多いですよね。
そしてさらに、負けるポイント幅(損失幅)が狭いほど、1回のトレードが早く終わります。10ポイントの動きは1日に何度も起きますが、100ポイントの動きは1~2回あるかどうかでしょう(ドル円の場合)。
ということは、短期売買ほどトレード回数を多くすることができ、高い資金効率で大きなロットを張ることができます。ノックアウトオプションとスキャルピングの相性が良い一つ目の理由です。
その理由② エントリーは成行のみなので短期売買に向いている
ノックアウトオプションの新規建てはリアルタイムの成行注文のみなので、当然相場を監視していないといけません。24時間相場を見張れる人はほぼいませんから、短時間の監視でもエントリーチャンスが発生しやすい短期売買のほうが向いています。
その理由③ 超長期ポジション保有ができない
実質数か月程度しかポジションを持てませんから、スワップポイントを狙うようなポジショントレードはできません。
ノックアウトオプション取引の重要ポイント
ギリギリまで引きつけてエントリーする
FXのトレードでも同じなのですが、損切り幅を狭くするほどリスクリワードレシオが良くなります。
リスクリワードレシオとは利益と損失の割合のことで、トレード手法を評価する重要な基準です。

リスクリワードレシオが良いほど、1回の勝ちトレードで大きく稼げることになります。リスクリワードレシオを良くするためには、利を伸ばすか、損切り幅を狭くするかですが、一般的に後者の方が容易といわれています。
買うならできるだけ安いところ、売るならできるだけ高いところで入ることで、損切り幅を狭くでき、リスクリワードレシオが良くなります。
最初に最終損切り価格を決めるノックアウトオプションは、この考え方を意識し、実行するのにぴったりの商品です。
ノックアウトレベルにできるだけ近いところで入ることが、負け幅(=必要資金)が少なくなる感覚を身体で覚えましょう。
ノックアウトレベル到達前に逃げるのはOK
最終損切り価格であるノックアウトレベルに達すれば損切りはされますが、どう見てもこのトレードは判断が間違っていると思ったら、もっと手前で損切りしてOKです。
ノックアウトレベルまで必ず待たなければいけないわけではないのです。

デモトレード⇒最小ロットで自信をつけてからロットを大きく!
スキャルピングやデイトレードはノックアウトオプションと相性が良いので、ぜひ積極的にチャレンジしていただきたいのですが、もちろん一定以上利益が出せるスキルを身に付けてからの話。経験も技術もともなっていない状態でノックアウトオプションで本気トレードをしようとしても、高確率でお金を失うことになります。
以下は勝てるトレード手法を構築する一例です。
- この手順なら勝ったり負けたりしながらお金が増えるかも、という手法の仮説を立てる
- 止まっている過去のチャートやフォレックステスター(検証ソフト)を使って検証。その仮説が正しいことを統計的に証明する
- デモトレードで数か月間運用して、動いている相場でも利益を出せることを確認する
- ノックアウトオプション開始。ただしロットが大きいとプレッシャーがかかるので最小ロットで
- 実資金トレードに慣れながら少しずつロットを大きくしていく
手法の検証と、ロットを段階的に大きくしていく過程は絶対に必要です。焦って最初から大きなロットでやらなくても、相場はなくなりませんし、トレードチャンスは頻繁にやってきます。熱いお風呂に入るときのように、ちょっとずつ身体を慣らしていってください。
勝てるようになれば、それまでに費やした時間やお金はすぐに取り返せます。勝てるようになっていないのに、大きなロットを入れるのは大間違いです。

・ノックアウトオプションのメリットやデメリットを考慮すると、短期トレードとの相性が良い
・短期トレードほどノックアウトオプションの資金効率の良さを活かせる
・ノックアウトオプションは成行でしかエントリーできないので短期売買向け
・しっかり検証、デモを行ってからノックアウトオプションを始めよう
