2020年4月時点で、日本国内の合法業者でノックアウトオプションをトレードできるのは、IG証券とFOREX.comだけです。この記事では、どちらを選ぶか迷っている人のために、双方に向いている運用スタイルをまとめてみました。
2020年3月に書いた上の記事より、より深く踏み込んで解説していきます。
IG証券のノックアウトオプションは成行決済のスキャルピング、株価指数や商品CFD
なぜスキャルピングはIG証券が向いている?
スプレッドはIG証券の方が狭い
IG証券は、現時点ではFOREX.comよりスプレッドが狭いです。
こちらの画像は、2020年4月28日の9:26に残したIG証券とFOREX.comそれぞれのノックアウトオプションにおける表示スプレッドです。
通貨ペア名 | IG証券 | FOREX.com |
ドル円(USD/JPY) | 0.6pips | 0.9pips |
豪ドル円(AUD/JPY) | 1.3pips | 1.6pips |
ポンド円(GPB/JPY) | 2.0pips | 2.5pips |
ユーロドル(EUR/USD) | 0.6pips | 0.9pips |
ユーロ円(EUR/JPY) | 1.1pips | 1.4pips |
人気どころの通貨ペアはどれを取っても、IG証券の表示スプレッドの方が狭いですね。
IG証券はノックアウトプレミアムも発生
スプレッドとは別に、IG証券ではノックアウトプレミアムをエントリー時に支払います。これはノックアウト(強制ロスカット)になったときに支払う手数料のようなもので、これをポジション保有時に先払いすることになります。
これはポンド円の買いのノックアウトオプションの購入画面ですが、数字をふってある部分を見ながら解説を読んでください。なお、ポイントではなくFXのクロス円風に銭で表記しています。
まず、①が原資産価格ですので、この時点の買値は133.084円ですね。
②はノックアウトレベルで131.100円で強制損切り。ということは、この時点で買いが成立すれば、133.084円ー131.000円=2.084(ポイント表示では208.4)がノックアウトレベル到達時の損失であり、このトレードのオプション単価となるはずです。
でも実際に③に表示されているのは、ポイント表示で216.4、FXの表記では2.164円です。先ほどの計算した2.084より、8銭多い価格です。この8銭がノックアウトプレミアムとして、エントリー時に支払われます。
なお、私の記憶では、2019年の12月ごろまでは、このノックアウトプレミアムは表示されていましたが、いつの間にか見えなくなっています。
さて、④の逆指値を見てみましょう。ここでは20銭逆行で損切りをする設定になっています。
次いで、⑦の逆指値価格を見てください。原資産価格が133.084円なので、20銭を引いた132.884円で決済されなければいけませんが、実際はそれに8銭を足した132.964円が逆指値の価格です。これはつまり、ノックアウトプレミアム分、手前で損切りになるということです。
同じように⑤の指値を見てみましょう。ここでは20銭トレンドが伸びたら利益確定する設定になっています。
でも、⑥を見ると、原資産価格の133.084円から20銭先の133.084円ではなく、そこにさらにノックアウトプレミアムの8銭が足された、133.364円が指値決済価格になっています。
ノックアウトプレミアムはいかほど?
通貨ペア名 | ノックアウトプレミアム |
ドル円(USD/JPY) | 2 |
豪ドル円(AUD/JPY) | 10 |
ポンド円(GPB/JPY) | 8 |
ユーロドル(EUR/USD) | 1.2 |
ユーロ円(EUR/JPY) | 2 |
ポンドドル(GPBUSD) | 6.4 |
NZドル円(NZDJPY) | 2 |
豪ドル米ドル(AUDUSD) | 4 |
米ドルカナダドル(USDCAD) | 1.5 |
2020年4月29日時点のノックアウトプレミアムです。なぜかは分かりませんが、豪ドル円、ポンド円のノックアウトプレミアムが突出して高いです。ポンドドルも高いです。
ただし成行決済ならノックアウトプレミアムは発生しない
ノックアウトプレミアムが含まれているのは、ノックアウトレベル到達時と、指値・逆指値で決済したときです。手動でタイミングを見て利食いや損切りをした場合には、ノックアウトプレミアムはかかりません。
成行で決済するスキャルピングのみIG証券がコスト安
常に成行で決済するということは、チャートにずっと張り付いていることを意味します。これは短期間で手じまいするスキャルピングでなければまず不可能です。
よって、スキャルピングのみIG証券で行うのがもっともコスト面で有利です。
成行で決済をするスキャルピングならノックアウトプレミアムが発生しないのでIG証券がオススメ!
商品数の多さはIG証券がズバ抜けている
IG証券の良さは、むしろFX以外にあるといえます。
この記事でも解説している通り、IG証券は非常に商品ラインナップが広く、ノックアウトオプションで見れば株価指数や商品が取引可能です。
株価指数ノックアウトオプション
NYダウ(ウォール街)、日経平均(日本225)、DAX(ドイツ30)、英国FTSEといった著名な株価指数はもれなくノックアウトオプションになっています。
さらに、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーといった欧州のマイナー国や、中国や南ア、香港、台湾といった国々の株価指数もノックアウトオプションになっています。
このバラエティさは非常に魅力。株価指数は一般的に為替よりもずっとボラティリティが高いため、動きをきっちり捉えれば爆発的な利益が望めます。
主な商品ノックアウトオプション
有名な原油や金はもちろん、幅広いジャンルの商品がノックアウトオプションになっています。
為替以外の株価指数や商品のノックアウトオプションをするなら、IG証券以外ではできない
FOREX.comのノックアウトオプションは普通のFXと1000通貨取引
取引コストは全体的にFOREX.comの方が有利
FOREX.comのノックアウトオプションのメリットは、コスト体系が非常にシンプルであるところ。すなわちスプレッド以外のコストはありません。
IG証券では成行決済以外で発生するノックアウトプレミアムを足すと、FOREX.comより取引コストが高くなってしまいます。
よって、指値で利益確定、逆指値、あるいはノックアウトレベル到達での損切りをトレード計画に組み込むなら、FOREX.comの方がお得です。
また、この記事にもあるように、FOREX.comは口座管理手数料がありません。
FOREX.comはノックアウトプレミアムがスプレッドに含まれているため、成行以外の決済ではコスト面でお得!
FOREX.comは最低ロットが1000通貨
FOREX.comは1000通貨取引が可能です。これもまた最低ロットが1万通貨のIG証券との大きな違いです。
画面での操作に慣れたり、トレードに自信がつくまでは小ロットでやりたい方には、FOREX.comが良いでしょう。
最小ロットが1000通貨なので、まずは小さくいくならFOREX.com!
まとめ
IG証券が向いているのは…
- スキャルピング
- FX以外のノックアウトオプション
FOREX.comが向いているのは…
- スキャルピング以外のFX
- 1000通貨取引