ノックアウトオプションを使うメリットって何でしょう? ビッグマネー高山です。
多くの皆さんは、驚異的な資金効率に惹かれてノックアウトオプションに興味を持ち、実際に運用しているのでは。
これはたしかにそうだと思いますが、違法な海外FX撲滅!ノックアウトオプションの方が良い!でも書いたように、未熟なトレーダーが抜群の資金効率を手に入れたところで、お陀仏が早まるだけです。
私はそれよりも、トレードをするときにまず、ノックアウトレベル(最終損切りライン)を決めなければいけない仕様に、とても大きなメリット、可能性を感じます。
トレードで勝つというのはどういうこと?
FXで勝つ、FXで負けるというのは、よく聞く表現です。でも、勝つ、負けるという表現は非常にあやふやで、いろいろな意味があり、さまざまな解釈ができてしまう危うさを含んでいます。
私がこれまでいろいろな上級トレーダーを見てきて、そして自分でもトレードをしてきた中で、FXで勝つとは、何回も何回もトレードをして、その結果としてお金が増えている状態のことです。
目先の1回のトレードで利益確定することや、1日の収支がプラスで終わることも、たしかに日本語的には勝ちですが、こういった短期的な1勝にはさほどの意味はありません。というか、こういう短期目線での勝ちを求めすぎると、利小損大になったり、危険なリベンジトレードにつなって良くないです。
トータルでお金を増やすこと、統計的に勝利することが、「FXで勝つ」ということです。
トレードに聖杯はなく、全勝はできない以上、これがFXで勝つことの限界となります。
大事なのは勝率とリスクリワードレシオの関係性
トータル収支をプラスにするためには、単体のトレードではなく、トレード群で運用全体を評価しないといけません。トレード成績を評価する基準はいろいろあるのですが、基本になるのが「勝率」と「リスクリワードレシオ」です。
勝率:トレードがプラス収支で終わる確率
勝つ確率です。トレードがプラスで終わる確率を表します。勝率は投資以外でも、例えばプロ野球の結果など、スポーツでよく用いられる指標で、とても分かりやすいです。
また勝率が高いことは単純に勝ちトレードの数が多いですから、トレーダーにとって気分が良いです。よって、勝率はかなり重視される傾向にあります。
ただ、考えていただきたいのですが、プロ野球のリーグ戦において、1勝の価値はいつも同じです。だから勝率ですべてを判断します(勝率が1番高いチームがリーグ優勝)。
でもトレードでは、1勝の価値はいつも違います。なぜなら獲得の値幅が違うから。+100円のトレードと、+10000円のトレードはどちらも1勝ですが、価値はまったく違います。同じように-100円の負けは勝率を下げますが、実際のダメージは非常に小さいことも大切です。
リスクリワードレシオ:利益と損失のバランスのこと
勝率と必ずセットにしないといけない指標です。リスクリワードレシオは、平均勝ち額÷平均負け額で計算できます。勝つときに100pips、負けるときも100pipsならリスクリワードレシオは1です。勝つときが200pips、負けるときが100pipsなら2、勝つときが100pips、負けるときが200pipsなら0.5になります。
数字が大きいほど、1回の勝ちトレードで大きく稼ぐ手法であり、数字が小さいほど1回の負けトレードで大きくドローダウンする手法であるといえます。
勝率とリスクリワードレシオのバランスでトレード結果、手法を評価する
勝率はもちろん高い方が良いです。リスクリワードレシオも数字が大きい方が良いです。当たり前ですよね。
なのですが、原則的にFXの手法において、このどちらもが抜群に良い手法は成り立ちません。だいたい、どっちもどっちという感じになります。
- 勝率が高いものの、リスクリワードレシオはいまいちな手法
- 勝率が低いものの、リスクリワードレシオでそれをカバーする手法
- 勝率、リスクリワードレシオともにバランスが取れている手法
このどれかが普通だと思ってください。
とりあえずは目に付きやすい勝率だけを求めて、リスクリワードレシオを軽視することだけはやめましょう。どちらも大切な要素なので。
リスクなくしてリワードはなし
損切り価格だけは自分で決められる
FXにおいて、なぜ損切りが大切なのかという話は、いろいろなメディアでひっきりなしにされていることです。そしてその理由のどれもが大切なんですが、私は「トレードで唯一決められる価格だから」と考えます。
トレードにおいて、いくら勝てるかは我らにはコントールできるものじゃありません。買いポジションがいくらまで上がるかが分かれば簡単な話です。ただ、いくら負けるかだけは、損切りを事前設定することで投資家側が決められます。FXにもノックアウトオプションにもある逆指値注文の機能を使うことで自動化できます。
10pips負けたらやめよう、1000円損失になったら仕切り直ししようというように、ロスカット水準だけはトレーダーに決定権があります。なのでこの唯一任意で決められる部分をベースに、投資戦術、特にいえばリスクリワードレシオを決めていくことになります。
リスクリワードレシオは損切りから組んでいく
勝率を気にしない人はまずいませんので、それとセットになるリスクリワードレシオについても、理解し、戦略に取り入れていくことが大切。
リスクリワードレシオは、もう書いた通り、利益と損失のバランスのことです。勝つときは100pips、負けるときは100pipsなら、リスクリワードレシオは1になりますよね。
そして、自分で設定できる損切りの幅が最初に決まれば、どれくらいの利食いまで頑張れば、目標とするリスクリワードレシオになるかも分かります。
例)勝率が55%の手法なので、リスクリワードレシオが1を超えれば統計上はプラス収支。-100pipsで損切りするので、利食いも100pipsは確保したい。
というような考え方をします。
トレードのやり方は人それぞれの部分はありますが、少なくとも私は、リスクリワードレシオを無視した手法は長期的に見て勝てるものではないと思います。であれば、トレードを始める前に、最終撤退ラインが決まっているのは当たり前のことであり、それが決まっているからこそ、目標利益が見えてきて、目標とするリスクリワードレシオになるかの予想ができ、それと勝率を絡めることで、そのトレード手法は良い運用なのか、そうでないかが判断できます。
超高金利通貨でスワップを狙うためにひたすらホールドしたり、トラリピのようなリピート系で損切りをせずにシステムを動かし続ける手法でなければ、損切りが最初に決まっていない手法はまあ論外なんです。
損切り幅が狭いほどリスクリワードレシオが良い数字に
勝率を大幅に上げることは難しい
もう一つ、この考えも知ってください。トレードにおいて、勝率を高くすることはなかなか難しいです。あるやり方の勝率が50%だったとして、それをなんの問題もなく80%にするのは至難の業です。
もちろん利食い価格を思いっきり狭め、損切り価格を思いっきり深くすれば勝率はガツンと上がりますが、これは同時にリスクリワードレシオを極端に悪化させます。つまり問題があるということです。
リスクリワードレシオを良くするのは勝率アップよりは簡単
リスクリワードレシオ=平均勝ち額÷平均負け額ですから、勝ち額を大きくする(利食いを伸ばす)か、負け額を小さくする(損切りを浅くする)ことで、数字を良くすることができます。
平均勝ち額100pips、平均負け額100pipsだとして、勝ち額を倍にしても、負け額を半分にしても、リスクリワードレシオは1から2になります。
利食いを伸ばすことは、相場の展開次第ではできます。それよりもう少し簡単なのが、損切りの幅を狭くすることで、これはギリギリまで引きつけて、損切りをするラインのすぐ手前でエントリーをすると、圧倒的に損切りを狭くでき、リスクリワードレシオも跳ね上がります。
このように、損切りする幅、損切りする金額にこだわることで、リスクリワードレシオを良くできる可能性は十分にあるということです。
最初に損切りを決めるノックアウトオプションで損切り幅圧縮の意識を育む
ここでノックアウトオプションの話がようやく出てきます。
ノックアウトオプションは、その名前の通り、1番最初にノックアウトされる水準(ノックアウトレベル・最終損切り価格)を決め、そこからトレード枚数や利食い価格などを決めていきます。
ノックアウトレベルからトレード全体の計画を作ってく商品なので、この記事で解説してきた損切り幅を狭くし、リスクリワードレシオを良くするという発想が、嫌でも身につくことになります。
私はこのことが、ただ資金効率が良い以上にずっと意味があることだと考えます。
どんなトレードも、まず損切りの計画ありき。そこから他の要素を追加していき、計画を作り、実際のポジションを持つ前から評価することで、やる前から美味しくなさそうなダメなトレードを排除することもできます。
この考え方を、ノックアウトオプションで練習しながら身に付けていきましょう。