ノックアウトオプション研究所読者の皆さん、投資、FXライターの鹿内武蔵です。
今回はスキャルピングで失敗する理由について。こちらはノックアウトオプションでも、FXでも同じです。
たしかにスキャルピングで大儲けしている人はいる
この業界に長くいますが、スキャルピングはやはり人気があります。すぐに結果が出ますし、相場を追いかけながらアクティブにトレードをする勝ち組トレーダーのイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
いろいろな方を取材していますが、たしかに超短期トレードで利益を出している人はいます。かなりいます。
銀行系だったり、長期的なトレードで利益を出している人の中には、たまにスキャルピングのような短期売買に否定的な見方をする人もいますが、事実として短いのトレードでプラス収支を叩き出している上手なトレーダーはたくさんいます。
ただその反面、スキャルピングは一番難しい手法だなとも感じます。その理由はいくつもあるのですが、やはり一番の違いはコスト、スプレッドです。
詳細はこの高山さんの記事を読んでいただきたいですが、トレード回数が増えるほど取引コストが重くのしかかります。スキャルピングはコストがかさむ分、より強力な優位性、収益性が必要です。
スキャルで儲けている人たちは、この条件をクリアしているのでしょうね。
損切りできないと大変なことになるよ!
さて、この記事の主題である、スキャルピングで失敗する理由について。
これはもうシンプルで、「損切りができない」ことにつきます。
もちろん、どんなトレードにおいても、自分の負けを認められず、傷口が広がる前に逃げられない人は絶対に成功できないのですが、トレード時間が短くなるほど、この傾向が圧倒的に強くなります。損切りができないダメージは、短期トレードほど大きいです。
獲得する値幅が狭いほど、放置してはいけない
損切りができないということは、つまり含み損を放置することです。
放置すると何が起きるかというと、当たり前ですが相場の展開によっては含み損が拡大します(もちろん戻ることもあります)。
このとき、獲得する予定だった値幅が狭いほど、含み損とのバランスが悪化します。100pipsを狙うトレードで含み損が100pipsになっても、その比率は1:1です。
でも10pipsで利食いするのに、損失を100pipsまで引っ張ったら、感覚的にこの比率で勝てる気がしなくないですか?勝つときは1000円なのに、負けたら1万円取られる勝負だと、ほとんど全勝みたいなトレードが求められてしまいます。
人は利食いはすぐにするんですよね。目先の利益を早く確定させたいという心理がありますから。含み益を、何の計画も戦略もなく放置できる人はいません。でも損失は嫌なので、決着がつくのを恐れて決断を後回しにします。これが損失を放置するメカニズムで、人間なら当たり前の感情です。
こういった心理や感情はプロスペクト理論で解説されていますが、その悪影響はスキャルピングだと極めて大きいというわけです。
スキャルだったのにデイトレやスイングになってませんか?
「よし、1分足を見ながら10pipsで利食い、10pipsで損切りするスキャルピングに挑戦だ!」
って感じで始まったトレードですが、思惑通りに相場が動いてくれなかったりして、損切りを躊躇しているうちに、トレードの根拠を後付け的に5分足、15分足、1時間足と長い時間軸にシフトさせていった経験がありませんか?
これはただ単に損切りをしなくていい言い訳を後から探しているだけで、初心者ならやりがちのパターンです。僕ももちろんあります。
時間軸を長くしていけば、値動きの幅が大きくなって利食いも損切りも遠くになっていくもの。でも損切りをしたくない理由でこの行動をとると、利食いは浅いのに、損切りだけは深いさっき書いたバランスの悪いトレードができあがります。
分析、トレードをする時間足は固定しないといけません。
ポジション保有と同時に損切り注文を入れてるよね?
スキャルピングで成功するためには、優位性のある手法を持っていることが大前提ではありますが、そういったちゃんとした手法なら確実に撤退の条件が定められているはず。
それを守れなければ、確実な死あるのみです。
私がオススメしたいのは、ポジションを入れる段階で、損切りの注文も同時に入れてしまうこと。ドル円を100.00でロングしたら、99.50で決済される逆指値を入れる、というように。
この損切り価格は仮の設定でもいいんです。あとから変更できますし。ポジションを持った1分後に何らかの大事件が起きて大暴落や大暴騰するかもしれません。
必ず損切りとセットになっているノックアウトオプション
ノックアウトオプションの場合は、この考え方が商品性に最初から含まれています。ノックアウトレベルという最終損切り価格を決めないとトレードができません。
この防御性能は素晴らしいと思います。ポジションを持つときに同時に損切りを入れるという行動が自動クリアされます。
逆指値も活用しよう
ただ、ノックアウトレベルは提示されているものから選ぶので、本当に自分が損切りしたい価格に設定できません。
なので、少し遠目にノックアウトレベル+現実に自分が損切りしたい価格に逆指値という組み合わせが良いでしょう。利益確定価格も決めるのなら、OCO注文的に指値も入れても良いでしょう。
IG証券で逆指値を入れる方法
パソコン版
新しくエントリーするときに、「逆指値(決済)」に値幅を入れればOK。ノックアウトレベルより手前である必要があります。
スマホアプリ
スマホでも同じですね。逆指値幅を事前に設定します。
FOREX.comで逆指値を入れる方法
パソコン版
FOREX.comの場合でも、この画面での操作はIG証券と変わりません。逆指値にチェックを入れて、値幅を入力してから新規エントリーです。
スマホアプリ
スマホの場合は、まず「決済注文を追加」を押してから、上の欄に値幅を打ち込みます。